税金制度の裏を突いた商品開発で人気となった昭和の国産車

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税金制度の裏を突いた商品開発で人気となった昭和の国産車

税制の網の目をくぐる自動車造りでヒット作を目指す!

 今さらながら、自動車と税金の関係は切っても切れない関係だ。クルマを所有すると「税金でがんじがらめ」ということになる。自動車税、重量税、所得税とたんまりお国にお金を奉納。さらに道を走れば、今度はガソリンに二重課税と税金だらけ。そこで、税制の裏を突いて自動車メーカーが商品開発し、苦労して商品化した昭和の代表的な車を振り返ってみたい。IMG_0911

 まずは昭和と平成の3ナンバー車両(普通自動車)の自動車税を比較(参考)したのでご覧いただきたい。

 1984年(昭和59年)改定前の税率

 普通自動車自家用(3ナンバー)

 3リッター以下 8万1500円
3リッター超6リットル以下 8万8500円
6リッター超 14万8500円
四輪以上の小型自動車自家用(5ナンバー)
1リッター以下 2万9500円
1リッター超1.5リッター以下 3万4500円
1.5リッター超2リッター以下 3万9500円

  

 1989年(平成元年)改正後税率

 普通自動車自家用(3ナンバー)

 2リッター超2.5リッター以下 4万5000円
2.5リッター超3リッター以下 5万1000円
3リッター超3.5リッター以下 5万8000円
3.5リットル超4リッター以下 6万6500円
4.5リッター超6リッター以下 8万8000円
6リットル超 11万1000円

 四輪以上の小型自動車自家用(5ナンバー)
1リッター以下 2万9500円
1リッター超1.5リッター以下 3万4500円
1.5リッター超 3万9500円

  

 〈軽自動車ボンネットバン〉

 軽貨物車の物品税という税制の隙をついて軽のボンネットバンが1980年からブームとなった。メーカーの商品開発力の勝利とも言える見事な商品だ。火付け役となったのは、47万円のアルト。しかもこれを追いかけるように、ダイハツのミラクオーレやホンダのトゥデイなどを登場させたりと80年代の軽自動車マーケットの活性化に寄与した。

Dr-China

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Dr-China

 〈軽自動車サイズに3列7人乗りリッターカー〉

 スバルの普通自動車、「ドミンゴ」。軽自動車のサンバートライをベースに1.0リッター直列3気筒エンジンを搭載し48psを発揮。当時の価格も82万9000円とコストパフォーマンスが高いクルマだった。ドミンゴとはスペイン語で日曜日を意味しており、小さいボディにシートも7人分が設けられ、日曜日に7人で出かけても大丈夫な設定となっていた。当時、7人乗りの最小モデルが日産のサニーバネットかチェリーバネットで、排気量は1200ccが最小だったため、税制を考えるとドミンゴの7人乗りが有利だった。ただ、どうにも非力だったため、7人フル乗車で上り坂になるとかなり走りはキツかった。Dr-China

 〈5ナンバーフルサイズ〉

 全長4.7m未満、全幅1.7m未満、2リッター以下という5ナンバー規格枠にギリギリ収めた日産の高級車グロリア。3ナンバーになるとグンと税金が高くなった。その背景には、「クルマは贅沢品。だから税金を多く払ってもらおう」という考えだった。それを逆手に取ったプリンスの商品開発力と努力を讃えたい。詳細を言うなら2代目「ハチマキ」グロリアで、2リッター枠いっぱいの全幅1695ミリを達成し、商品化。IMG_0909

 さらに3代目になりプリンスと日産が合併したため、車名は日産グロリア(通称タテグロ:縦目のヘッドライト)となるが、このクルマで全長×全幅とも2リッター枠ギリギリとなる4695ミリ×1695ミリのサイズとなり威風堂々のスタイリングを確保した。もちろん車内のサイズも大人6人が乗れるフルサイズとしている。IMG_7585

 世界中を見渡しても日本ほど細かく税金が掛けられている国はない。しかし、その厳しい税金制度を逆手に取って、商品企画をして見事に商品化し、ヒット作として世に受け入れられるような自動車を作り上げた技術者たちの努力を讃えたい。

  

  

  

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